■ disorder 秩序破壊者 あとがき ■

早稲 実


 〜一途であればあるほど、得てして周りが見えなくなるものである。
 まして、成そうと思えば、築き上げられていた秩序など障害以外のなにものでもない〜

 おいっす。早稲 実です。
 赤信号に足を止めていると、自分が積み上げられてきた歴史の上に存在することを痛切に感じます。世の中は何故こうも“みんな”で生きることにかけては都合がいいのでしょう? 自分という存在の意義が見えなくなります。自分が失われることによって、泣いてくれる人はいるでしょう。けれど、それにどれほどの意味があるのでしょうか?
 世の中にとって、掛け替えのない存在になりたい。そんな願いは、目の前に広がる現実が不可能だと教えてくれます。目を瞑ると聞こえてくる「掛け替えのないあなた」というJポップのフレーズが耳障りでなりません。恋人同士で勝手に囁き合ってください。
 とりあえず僕は、しっかりと目を開いて歩くことにします。青信号に急かされて横断歩道を渡るのは、屈辱ですが。