■ Liberator-解放者-あとがき ■

鹿神 藍

 長い間、小説なんて書いていませんでした。
 自分自身の中に、いまだせっぱ詰まっている感じがしなかったからで、焦らなくてもいいみたいな、そんなぬるま湯が筆を進ませなかったというのは、まったくの言い訳以外の他に何でもない。
 このガラテアUという企画で僕が本来書いていたのは前作フェンリルの続編でした。前作のあとがきでは続編を書くつもりはないと書いたのですが。  しかし若い頃かいたものほど、キャラクターや思想、世界設定やらが青いままだったりして、非常に掴みづらい人間味に苦心し、ついには作業を放棄してしまいました。
 続編は書かないと決めると、あとは早いもの。勢いとノリだけでパソコンに向かい、二、三日という短い期間で書き上げたのがこの作品です。
 純粋に僕好みの面白さだけを抽出してみたのだけれど、いかがでしょう?